2025.06.01 08:53Night lover番外編(夜霧×久遠③)「夜霧。」「あ、久遠〜。こっちこっち。」時が経つのは早く、久遠が大学に入った頃も関係は続いていた。なんだかんだ訓練で顔を合わせたりはするが、それ以外のプライベートでも二人はよく話をしていた。待ち合わせは特に決めておらず、今回は夕飯を共にするべく駅前の待ち合わせだった。先に着いていたらしい夜霧が高校の制服姿で手を振るのだ。「遅いよ久遠〜!」「遅くなるって連絡入...
2025.06.01 08:51Night lover番外編(夜霧×久遠②)「久遠は朝ご飯食べる派?食べない派?」「どちらかと言えば買食い派。」「そう、手料理苦手なんだね。」「………俺、その話したっけ?」「反応見りゃわかるよ。食べること聞いた瞬間嫌悪感見せたもん。」眉間の皺寄ってるよ、と夜霧の人差し指が久遠に伸ばされグリグリされていた。ここ数日間、夜霧のマンションの一室で過ごすようになった久遠である。あまり長く帰らないと桂月に言い訳...
2025.06.01 08:48Night lover番外編(夜霧×久遠①)「そこらへんでやめとかないと、そいつ死んじゃうよ?」真夜中の路地の一角で理性が飛んでいた久遠になんの躊躇いもなく話しかけてきた男。ハニーブラウンの髪に中性的な顔立ちで、こんな現場を見ながらにこやかな笑みを浮かべていた。ヘーゼルの眼差しは恐怖なんてものはなく面白いものでも見つけたような視線である。今しがた殴っていた相手はすでに気を失っており、久遠は返り血で酷い...
2025.06.01 08:45Night lover番外編(幼馴染❸(高校生編))「ちょっと世理ちゃん〜、俺の分も残しといてよ〜。」「片付いたらなんでもいいだろ。てかなんで朝っぱらから喧嘩売られなきゃなんないの?」道端に倒れ込んでいる不良らしき人間が複数倒れ込んでいる中、「喧嘩売ったのはお前だ世理!桂月が投げたボールを思いっきり蹴り飛ばしてぶつけたんだろ?!」伊万里が驚愕しながら突っ込んでいた。なんで喧嘩売った奴が売られたと思い込んでいる...
2025.06.01 08:43Night lover番外編(幼馴染❷(中学生編))「いい感じに仕上がったよね桂月は。」「なんだよ急に〜。」ドサッと人を落としながら振り返る桂月は中学に上がって人が変わった。いや、実際は抑圧された環境で生きる術を身につけた結果と言えるのだが…。ガリガリで怯えていただけの子供はもういない。「人を殴りたいなんて思ったことないって言ってたじゃん。」「今だって別に思ってねえよ。」「でもやられるまえにやる。」「そう教え...
2025.06.01 08:41Night lover番外編(幼馴染❶(小学生編))「お前の従兄弟だ。」滅多に見ることがない父親が紹介してきた同年代くらいの子供。それが久遠だった。ダークブラウンの癖っ毛に、パッチリとしたアンバーの眼差しはにっこり笑うと甘く幼なげで可愛らしいだろう。けれどその子供は笑みを浮かべることもなく、桂月に挨拶をするでもなく、第一声が、「え、従兄弟?じゃあなに?おじさん不倫してんの?」父親という肩書きだけある男に面と向...
2025.06.01 08:39Night lover番外編(話し相手③)「日向くんは人を殺したいと思ったことある?」「は?ないと思うよ多分。」「俺割と本気でそう思うことあるんだけどさ、」「え、怖い話し?」「共感できないサイコパスって聞いたら一定数は猟奇殺人に結びつけがちじゃん?『心がないから酷いことができる』の最上級版だし。」「まあ、そうだね。でも案外サイコパスって医者とか政治家とかに多いって聞くけど…。」「それも本当らしいよ。...
2025.06.01 08:38Night lover番外編(話し相手②)「そういえば昔、親というものに誕生日プレゼントで妹をもらってさ、」「………え、それは比喩とかではなく人間の妹ってこと?」「そう。孤児院から引き取ってきてわざわざ俺の妹にしなさいって。」「どこから突っ込めばいいかわかんないけど取り敢えず聞くに徹するね。」「それがまた意味のわからない動物でさ。」「妹を動物扱いしないの。」「話し相手にって贈られたモノの癖に言葉を理...
2025.06.01 08:36Night lover番外編(話し相手①)「そういや君、名前なんていうの?」「は?生徒の資料も見てないの?!」「見てないねえ〜。馬鹿ばっかりいちいち覚えてらんないじゃん。」「先生としてあるまじき発言したね今。」「君は覚えておいてあげようってんだからいいじゃないか。光栄に思いなさい。」「そんな光栄別にいらないからちゃんと先生してくれない?」「その先生呼びもやめない?先生してるつもりないし。」「本当にね...
2023.05.23 10:22もしも黒猫様が悪女に転生したら26さて、結果だけ言うとルーと共闘した今回の作戦はうまくいった。各国の主要人物たちがリリーの元へ群がっていた光景が現在はガラッガラである。「魔法陣さん凄すぎな…。」自分の能力になったとはいえ古代兵器の威力にはドン引きしてしまったが、まあ結果良ければ全て良しである。過程をざっくり説明すると魔法陣さんの力を使って各国へ擬似的に攻撃を試みた。もっと言うと魔物を召喚し、...
2023.05.16 08:08もしも黒猫様が悪女に転生したら25翌朝は大変だった。僕の様子がおかしかったことが原因らしく、ユランなんて早朝の5時から待機していたようで、ロードまで朝の7時ごろに来てから様子を伺ってくるのだ。アレンだけはいつも同じ部屋で寝ていたものの、昨日ばかりは出て行ってくれと頼んだ初めての夜だったこともあり、一睡もできずにウロついていたところを、椿…もといルーと解散して部屋に戻る道中に出くわしたほどであ...
2021.06.08 02:58もしも黒猫様が悪女に転生したら24****「夜のお茶会なんて出来れば素敵だと思わない?こんな時間にひっそりと逢瀬を重ねているんだもの。」昼間の中庭は雰囲気を変えて夜の色に染まっており、昼間座ったガーデンテーブルと椅子に座って目の前にティーセットがないことを残念がるルベリア(中身は椿)うふふっと表向きの顔で笑いかけてくるそいつに対して僕は腕を組んだまま無駄話に付き合うつもりはないことを無言で示...